第3節インテル対ローマ インテルの試合を見て初めて熱狂した


昨日9月17日土曜日、インテルの試合をTV観戦した。残念ながら0−0のスコアレスドローだった。


この試合、私は相当に熱狂しながら見ていた。
正直昨季まで、インテルというチームは嫌いだった。どうしても、超守備的なイメージがつきまとっていたからだ。
しかし、先週の開幕戦を見て、今年のインテルはおもしろいぞ、と初めて思ったのだ。
ひいきの長友と前サントスのジョナタンがいることも大きな要因だが、それ以上に戦術が今までのインテルと違い、攻撃的に見えたからだ。
初めて、インテルを応援しようと思えたのだ。
しかし、そんな新生インテルだが、先週末のセリエA開幕戦に続き、週中にあったチャンピオンズリーグの試合にも敗れてしまい、早くも新監督の更迭論が出てきているのだ。


そんな中、セリエA第2戦対ローマ戦がホームで行われたのだ。
こちらの時間で、土曜日の午後3時45分開始だった。


長友は右サイドでの先発だった。前節でその位置に入っていたジョナタンはベンチスタート。左サイドには、前節で長友と交代した20番のオビが先発だった。
試合開始からホームのインテルがいい攻撃を見せる。長友も気持ちいいぐらいに上がる。しかし、上がるだけでなく、きちんと守備にも戻っていた。
この日FWは、フォルランジエゴミリートの2トップだった。
右サイドで、長友とフォルランは近くでプレーすることになるのだが、フォルランはまったく長友にパスを出そうとしていなかった。まったく長友を信用していないのだろうか・・・。
ほかの昨季からインテルにいる選手は、長友に普通にパスを出したり普通にプレーしていたが、フォルランだけはちがった。これはかなり気になった。
仲がいいこともあるのだろうが、長友はスナイダーとパス交換する場面が一番多かったように思う。


そんな長友だが、オーバーラップは冴えており、ボールに触る機会はかなり多かった。前半30分ごろには、惜しいシュートもあったぐらいだ。
長友、かなりいいと思ったが、ゴールライン際まではいいのだが、そこからのクロスなりの次のアクションにもう少し早く入れたらいいなぁと思った。これは、相手のディフェンスもいいのだろうが、持ちすぎず、すぐにクロスなりパスなりが出せればもっとチャンスは作れる気がした。
しかし、TVにもけっこうアップで映り、十分に見せ場は作っていた。いつものように、「ジャポネース、ナガトーモ!」と何度も実況は口にしていた。


さて、インテルは、そんな長友絡みだけでなく、かなりチャンスを作っていたのだが、どうしてもフィニッシュが決まらない。まるで、サントスの試合を見ているようだ。
それにしてもインテルは、相当積極的な攻撃に見えた。CBのルシオは、CK時だけでなく、FWと思わせるようなゴール前への動きも何度か見受けられた。まるで、バルサのピケのようだ。
見応え十分なのだが、ゴールが決まらないのだ。


後半17分、オビに代わりジョナタンが入った。長友が左に移動し、ジョナタンが右でプレーした。前半目立っていたオビだったが、後半はほとんどボールを持つ機会がなかったので、この交代には納得だろう。
左に移動しても長友は、変わらずよく動き回っていた。そして、ジョナタンはやはりいい動きを見せてくれた。
この二人のプレーが見れるようになり、私もTV画面の前で立ちながら見るようになった。


インテルの他の交代枠は、後半14分にミリートに代わり、28番のFWサラテが、そして後半34分にはフォルランに代わり、77番をつけたムンタリという黒人の選手が入った。
サラテについてはわかるが、この最後のフォルランの交代は不可解だった。
フォルランは、時間が経過するにつれていい動き、可能性のあるシュートを打つようになっており、何で代えるのか疑問に思った。
TVの実況も言っていた。「フォルランを交代ですか?ガスペリーニは何を考えてるんですかね。3−0ならわかりますよ。今は0−0なんですよ。」それに対し解説者は、「0−0でいいと考えているのでしょう。」などと言っていた。
私のような素人でも、この試合は何としても勝たなければならないことはわかる。選手たちはそのために、相当な気迫を持ってプレーしている。しかし、この監督は何を考えてるのかと思わざるを得ない。早くも更迭論まで出ているというのに、どういうことなのだろうか?
私は、このムンタリという選手を知らない。それなりの可能性を秘めた選手なのかもしれない。しかし、この日のプレーを見る限り、ほとんどボールに触る機会はなかったし、フォルランのほうが数倍いいと思わざるを得なかった。
やはり、この場面では、ストライカーが必要だろう。エトーがいなくなった今となっては、ミリートフォルランぐらいしか思い浮かばない。この二人が信頼できるストライカーということになるだろう。それを二人とも外してしまうのだから・・・。
サラテは、なかなかよかったと思う。この選手についてもほとんど知らないのだが、見る限りサイドアタッカーのような感じだ。相当にボールに触っておりチャンスを作っていた。しかし、ストライカーとは少し違う感じがした。


その後もインテルは攻め続けるが、ゴールを決めることは出来なかった。
残念ながら0−0のまま終わってしまった。


なぜ、あれだけ嫌いだったチームを応援しているのか、自分でも不思議に思った。インテルの試合に初めて感情移入して見たような気がする。


それにしても、長友はいい動きをしていたと思う。超積極的なオーバーラップ。何度もゴール前に顔を出していた。十分にチャンスの基点になっていたと思う。ただ思ったのは、ゴール近くでのプレーにもう少し精度が高まれば、更なる活躍ができると思う。
ジョナタンも途中出場だったが、よかったと思う。
それにしても、監督の評価は、長友のほうがジョナタンより上なんだなぁ。長友は本当にすごいと思う。


さて、残念ながら、インテルは、ホームで引き分けという結果になってしまった。未だ勝ちなしである。インテル首脳部はこの結果をどう見るのだろうか。
ブラジルでも、結果が出なければすぐに指揮官を代えるが、そういう問題でもないと思う。まだリーグ戦は2つしか終わっていないのだから・・・。


果たして、ガスペリーニ監督の進退はどうなるのだろうか?私としては、当然残ってほしい。この日一つ不可解な采配はあったが、素晴らしい攻撃サッカーは見ていて本当に楽しいから・・・。


長友、ジョナタンに活躍してもらって、一日も早く爽快な勝利を味わってほしいものである。

 第2節パレルモ対インテル 開幕戦長友は見事に先発出場を飾った!


本日9月11日(日)こちらの時間で午後3時45分からイタリアセリエAインテルの開幕戦をTV観戦した。
イタリアリーグが今週末に開幕し、やっとすべてのヨーロッパリーグが開幕したことになる。
開幕戦が第2節というのは、ストライキのため開幕が延期された影響からだろう。しかし、長友はその恩恵を受けることになる。怪我から驚異的な回復力を見せ、開幕戦のピッチに、それも先発出場として立つことができたのだ。


今季のインテルには、長友のほかにも楽しみな選手がいる。前サントスの右SBジョナタンである。二人とも先発出場を果たしていた。


まず、インテルというチームに対する印象だが、この試合を見て、今までとはかなり異なった。
というのも、去年5月のチャンピオンズリーグ決勝で見て以来、超守備的というネガティブな印象しかなかったが、この日は、それとは180度異なる、終始攻撃的な姿勢を見せたからである。
これは、アウェイとはいえ、格下相手だったからかもしれないが、今日見せてくれたインテルのサッカーには、見ていて楽しさを十分に味わうことができたからだ。


個人的に注目していた選手は、左右両SBだ。3バックの布陣なので、それぞれがその前列のMFの位置にいる。ということで、長友もジョナタンも上がる上がる。十二分に攻撃を仕掛けていた。見ごたえ十分だった。


私はこの日、その前に、ウォルスブルク対シャルケの試合もTV観戦していたのだが、いつもそうなのだが長谷部の姿がTV画面に大写しになることはほとんどない。
しかし、長友はいつもそうなのだが、大写しになる場面が多々あるのだ。それだけではない、TVの実況も「ナガトーモ、ジャポネーズ」と必ず連呼するのだ。
だから、インテルの試合、というよりも長友の出る試合を見るのは楽しいのだ。わくわくさせてくれるのだ。


長友、相当に上がっていた。ゴール前にも何度も顔を出していた。
一方逆サイドのジョナタンも、同じく、だった。ホビーニョの技で有名なペダラーダ(またぎフェイント)を見せたり、十分に見せ場をつくっていた。


さて、試合は、前半33分、味方がシュートした球がゴール前のジエゴミリートの足にぶつかってゴールに入るというラッキーなゴールで、インテルが先制した。
インテルがボールを支配し攻撃を仕掛けるが、時折見せるパレルモのカウンターは、よくインテルDFを抜いており、危ない場面もけっこう見受けられた。


前半は0−1でインテルリードで終わった。


後半、いきなりパレルモにゴールが決まった。私は、ハーフタイムにある作業をしており、このシーンを見逃してしまったのだが、VTRで見た限り、見事にDFの間を抜いていた。
しかし、その直後、インテルはPKを得て、再び1−2でインテルがリードした。
しかし、その直後、またもパレルモにゴールを奪われてしまう。


その後、後半17分に残念ながら長友は交代してしまう。長友に代わって入った20番のオビという選手が、長友同様、いやそれ以上に攻撃的でかなり見せ場をつくっていた。


その後、インテルは攻めるものの、ゴールを決めることができない。
一進一退の攻防といった感じか。
そして、あと5分ぐらいというところで、パレルモにゴールが決まる。
その後、インテルは攻めるが、またもパレルモにゴールだ。不意打ちのような球が、見事にゴールマウスに入っていった。
2点差になり、インテル北濃厚なロスタイムにフォルランがゴールを決めたが、それが精一杯だった。


結局、3−4でインテルは負け、開幕戦を勝利で飾ることはできなかった。


しかし、長友、そしてジョナタンは、二人とも持ち味を出していたし、悪くなかったと思う。
ただ、長友がかなり早い時間帯で交代させられたことは、少し気になる。どういう判断からだったのだろうか。


優勝を狙うであろうインテルは、開幕戦を落とした。これが、チーム、選手にどのような影響を与えるだろうか?
守備面をどう克服していくかが課題になるのだろうが、私的には、ひいきの2選手、長友とジョナタンの見応えある攻撃的なプレーが見れるフォーメーションだったので、今季のインテルには、楽しみを感じることができた。


これからも見れる限り、インテルの試合を見たいと思ったのだった。

 第23節サントス対クルゼイロ サントスは何とか勝つことができた


昨日9月10日(土)、レアル・マドリッド戦をTV観戦した後、午後5時過ぎ、私は子どもたちを迎えに子どもの友達の家に行った。
長男の一番仲の良い友達で、次男も喜んで一緒に遊びに行ったのだ。子どもたちは、プールに入ったりして楽しく遊んでいたようだった。


サントス戦の開始は午後6時だった。その時間までに帰ってこようと思っていたが、少し遅れてしまった。帰宅してTVをつけたら前半14分を経過しており、既に1−0でサントスが勝っていた。
サントスのゴールシーンを見逃して、少し残念な気がした。しかし、サントスがリードしていることに対しては、嬉しく思った。


サントスは、試合開始から猛攻していたようだ。そんな中前半12分にFWボルジェスが決めてくれていたのだった。
それ以外にも、何度かゴールネットを揺らしていたようだったが、惜しくもオフサイドの判定だったようだ。


私が見始めてからも、サントスは気持ちのいいぐらいに攻めていた。一度、ボルジェスがゴールを決めた、と思ったのだが、これもオフサイドの判定だった。どう見ても、オフサイドではないのだが・・・。
この日のレフリングはひどかった。オフサイドの判定は何度ミスがあったことか・・・。それ以外にも、わけがわからないぐらいにカードが出されていた。
そして、前半32分に起きたペナルティエリア内でのサントス選手へのファウルの判定も、おかしかった。クルゼイロの選手が誰とも接触することなく膝を折るようにして倒れた途端にファウルの笛が吹かれ、クルゼイロにPKが与えられたのだ。
すぐ近くにエドゥー・ドゥラセーナがいたので、エドゥー・ドゥラセーナが3試合連続でPK献上かと思ったが、実際には途中出場のアンダーソン・カルヴァーリョのファウルだった。
サントスGKハファエロは、このたび初めてセレソンに選ばれた。セレソンの意地を見せてやれ、と祈りながら見ていたら、何とキッカーのMFモンテージョは見事に枠外に外してくれたのだ。
これには、ゴール裏のサントスファンたちが大喜びしていた。本当に命拾いした。
そのまま、1−0で前半を終了した。


この日のサントスの先発選手は、いつもと少し違っていた。右SBにブルーノ・アギィアール、ボランチにアリソン、そしてトップ下に前節に大活躍したフェリペ・アンダーソンが入っていた。そして前節同様3トップで10番はアラン・カルデッキがつけていた。
しかし、開始1分にアリソンが負傷退場し、アンダーソン・カルヴァーリョが入ったのだった。


後半は、前半とは一転して、クルゼイロが攻撃に出てきた。サントスは前半飛ばしすぎた反動もあるのだろう、動きが悪くなっていた。
しかし、不可解なレフリングでクルゼイロ選手が二人も退場したことにも助けられ、何とか1−0のまま勝つことができたのだった。


この試合、気になる点が2つほどあった。
一つ目は、前半のサントスは素晴らしかったが、後半は前半が嘘のように防戦一方になってしまった点。もう一つは、ネイマールにゴールが決まらない点である。
一つ目については、前半の攻撃は、久しぶりにサントスらしい攻撃、ゴールの予感が感じられた。後半息切れしたが、これは進歩とみてよいだろう。
二つ目について、ネイマールはゴールこそ決めてないが、アシストなどはあり、それなりにいい動きはしているのだ。ただ、やはりFWとしてはゴールを決めることが仕事なので、どうしても物足りなく思ってしまうのだ。ボルジェスが16ゴールと得点王ランキングで断トツの1位につけていることも、ネイマールを物足りなく感じてしまう一因だろう。


まあ、そんな点はあるが、やっとサントスにもエンジンがかかってきた感じだ。
次は次週日曜日に1位のコリンチャンスとのクラシコである。
この調子で、勝ち続けてくれることを期待するのである。

 第3節レアル・マドリッド対ヘタフェ 今季のレアルはいけるかもしれない


昨日9月10日(土)、今季初めてスペインリーグの試合をTV観戦した。レアル・マドリッド戦である。ブラジル、サルヴァドールの時間で午後3時開始だった。
去年10月、私はスペインに旅行し、レアルの試合もバルサの試合もスタジアムで観戦した。そのときの印象は、レアルのほうが強いというものだった。バルサはサントス同様、攻撃は物凄いが守備に脆さを感じた。一方のレアルは、すべてにおいて完璧に思われた。特に、クリスチアーノ・ホナウドの突破力は誰よりも勝っていると思ったものだった。
しかし、その後の両チームの直接対決を見て、そんな私の印象は少し見当違いのようだった。しかし、そのとき、レアルの強さを目の当たりにして、レアルのファンになったのだ。


さて、そんなレアル・マドリッドの今季2試合目をTV観戦した。2試合目だが、第1節が延期ということになっており、この試合は第3節らしい。
この試合、レアルの先発選手は、新加入のファビオ・コエントランが入った以外、去年と同じメンバーだった。ファビオ・コエントランケディラの位置に入っていた。センターFWはベンゼマだった。


試合は、立ち上がりから完全にレアルペースだった。これでもか、というぐらいに素晴らしい攻撃を見せていた。
右SBのマルセロの動きが光っていた。先日セレソンにも選ばれ、乗りに乗っているという感じだった。
新加入のファビオ・コエントランは動き自体はいいのだが、シュートの精度があまりに悪すぎた。2回はゴール前で決定的なチャンス外していた。


レアルサッカーショーといった感じの中、早くも前半13分、マルセロ、ファビオ・コエントラン、オジル、ベンゼマと繋ぎ、ベンゼマがきれいにゴールを決めた。本当に美しすぎるほどのパス回しを、最後は職人ゴールゲッターが決めたという感じだ。
その後もレアルサッカーショーは続くが、追加点が奪えない。そんな中、一瞬の隙を突かれ、相手にゴールを許してしまう。前半38分のことだ。
さすがに、これだけ素晴らしいサッカーを見せつけるレアルも、簡単には勝たせてもらえないことを思い知らされる一撃だった。
そのまま前半が終了した。1−1だった。


後半は、レアルに前半ほどの勢いがなくなった。少し嫌な雰囲気だったが、そんな中、後半15分にクリスチアーノ・ホナウドが、倒されPKを得た。VTRで見ると、ぎりぎりだがペナルティエリアの外側での反則だった。まあ、こんなこともあるだろう。これをクリスチアーノ・ホナウド本人がしっかりと決め、勝ち越しに成功した。
その後、後半24分には、速攻からクリスチアーノ・ホナウドの鋭いロングパスにベンゼマが見事に反応してゴールを決め、3点目が入った。
その後、相手に1点入れられてしまい、3−2になった。


そんな中、ジ・マリアに代わりカカーが入った。久しぶりにカカーのプレーを見た。意外にも、かなりボールに触っていた。そしてけっこう決定的なパスなど出していた。
そんなカカーの縦パスから、これも試合終了間際に入ったイグアインがゴール前で絶妙にDFを二人ぐらい交わし、見事にゴールを決めたのだ。これには脱帽だ。ほんの5分ほどの持ち時間できっちり仕事をやってのけたのだ。


結局4−2でレアルが勝った。一筋縄にはいかなかったが、まあ快勝といっていいだろう。それぞれの選手が持ち味を出し、勝利に貢献してくれたと思う。


この日、バルサチャンピオンズリーグの試合を意識し主力を温存したせいもあって、引き分けたようだった。
まだ2試合終わっただけだが、この時点で勝ち点2のリードである。


まだまだシーズンは始まったばかりである。しかし、好スタートを切れていること、ライバルよりも一歩先を進んでいることは、レアルにとって好材料だろう。
この調子で、レアル・マドリッドは、素晴らしいサッカーを見せ、快進撃を進めてほしいと思うのである。

 第22節アヴァイ対サントス戦 ピッチコンディション最悪の中フェリペ・アンダーソンが魅せてくれた


9月7日(水)のことである。この日は独立記念日でブラジルの祝日だった。ということで、通常水曜の試合は夜に行われるが、日曜の試合と同様午後4時から始まった。
この日のサントスの相手はアヴァイである。アヴァイは南部サンタカタリーナ州の州都フローリアノポリスを本拠地とするチームだ。2009年に1部に昇格しいきなり6位になったが、昨年は15位と降格一歩手前であり、今年は常に降格圏をさまよっている。そんなチームである。

この日の試合は、アヴァイのホーム、フローリアノポリスで行われた。
フローリアノポリスの天気は雨で、グランドコンディションは最悪だった。競馬でいえばまさに不良馬場だ。一面水たまりのなかでの試合になってしまった。
ここまでひどいグランドコンディションでの試合は初めて見るかもしれない。まったくパスが回らない。細かいパスを繋ぐサントスにはかなり不利に思われた。


試合は、両チームとも、グランドコンディションに手こずっていた。パスが思うように飛ばないのだ。ボールが止まる位置を予測しながらプレーしなければならない。サッカー選手として身についている本能に身を任せたまま走るわけにはいかないのである。GKへのバックパスなどはもってのほかだ。
選手たちは、地面につけてはボールが進まないので、リフティングなどしながらボールコントロールしたりしていた。
そんな中でも、サントスが優位に試合を進めていたが、なかなか得点は奪えないでいた。そんな中、相手アヴァイにPKが与えられたのだ。またもファウルはDFでキャプテンのエドゥー・ドゥラセーナだ。毎回のようにファウルをもらう。それも2試合連続でPK献上だ。しかし、VTRで見る限りファウルではない。相手に接触してすらいない。
何とかGKハファエロに防いでくれと願った。ハファエロは、見事相手の蹴る方向を読んだが、球はそんなハファエロの飛んだ体の下をすり抜けてゴールに入っていってしまった。前半32分のことである。
その後もサントスは攻めるが決定機が作れず、前半は1−0で終了した。


後半もサントスは優勢に攻めるがなかなかゴールが決まらない。そんな中、後半途中から出場したフェリペ・アンダーソンがすごい活躍を見せてくれた。
まずは後半24分、フェリペ・アンダーソンからのパスをFWボルジェスがGKを交わしゴールを決めた。そして後半30分には、フェリペ・アンダーソンがDF2人を一人で交わし、見事にシュートを決めたのだ。まさにゴラッソだ。


フェリペ・アンダーソンはガンソ、アラン・パトリッキに次ぐ3番手のトップ下の選手だった。6月にホジャー・ガウーショも加入し、なかなか出場機会に恵まれることがなかった。
しかし、アラン・パトリッキは移籍し、ガンソは怪我で出場していない。先発出場はかなっていないものの、ここ最近はコンスタントに途中出場し、それなりの働きをしていたのだ。
それがこの日、やっと開花した感じである。


そのまま1−2でサントスが逆転勝利を飾ったのだった。
格下とはいえ、アウェイでの戦績が著しく悪いサントスにとって、貴重なアウェイでの勝利だ。これがアウェイ2勝目だった。
下位に低迷しているので、着実に勝ち点を積み重ねていかなければならない。
厳しいピッチコンディションの中、何とか勝ち点3をもぎ取ってくれたのだった。

 話題の久保建英君ついにバルサのカンテラへ


ついに久保建英君がスペイン、バルセロナカンテラへ入団したとのことだ。小学4年生でである。
小学4年生といえば、我が長男と同じである。


久保建英君のことを知ったのは、去年の4月のことだった。
インターネットのニュースで、少年サッカーの国際大会にバルセロナのメンバーとして出場し、大会MVPを取ったことを知ったからだ。
このとき、バルセロナ在住の日本人なのか、と最初思ったが、インターネットで調べているうちに、日本でバルサのサッカーキャンプがあり、前年にそれに参加しそのバルサキャンプのMVPを取り、バルサの一員として少年サッカーの国際大会に出場したことを知ったのだった。


私の長男もサッカーをやっており、サッカーが大好きである。
このとき、バルサのサッカーキャンプが日本で毎年行われていることを知り、ちょうど一時帰国のタイミングで行われていたので、若干値は張ったが、長男たっての希望だったので昨年初めて参加させたのだ。
そして、今年も一時帰国のタイミングと合ったので、参加したのだった。


今年のバルサキャンプは、対象者を6歳から13歳(だいたい小学生)とし、日本の夏休み期間に4クール開催されていた。第1〜第3クールが横浜で行われ、第4クールが大阪で行われた。
長男は第2クールに参加したが、久保建英君は第3クールに参加していた。
ということで、わざわざ、久保建英君を見るために、第3クールの初日に会場である横浜みなとみらいのグランドまで行ってきたのだった。


年齢および実力から4つのカテゴリーに分けられる。
長男は上から2番目のカテゴリーだったが、久保建英君は当然の如く一番上のカテゴリーだった。


バルサの練習は、基礎練習ばかりで、ほとんど試合形式がない。ということで、久保建英君のプレーも試合形式では見ることができなかった。
カテゴリーの中では一番小さいと思われるが、もう場慣れしているのだろう、その中でも一番よく声を出しており積極的に練習を行っていた。


試合形式ではないので、正直どれほど上手いのかはわからなかった。しかし、風格というかインテリジェンスな雰囲気は醸し出していた。ミズノのシューズを使っており、常に左足を使っていたことが印象的だった。


さて、そんな久保建英君がついにバルサカンテラに入団したというのだ。本物のスペインのバルセロナに行ったのだ。
これは本当にすごいことだと思う。若干10歳の小学4年生である。
それも、今や誰もが認める世界一のクラブのカンテラに入団したのだ。


去年、我が街ブラジル、サルヴァドールに、日本の中学1年生の少年がサッカー留学に来ていた。
日本の少年が、親元、親しんだ環境を離れ、異国の地で生活していくことの大変さを目の当たりにしたのだった。


久保建英君の場合、お母さんも一緒に生活するようなのでそれほど心配することはないのかもしれないが、やはり生活で苦労する部分はでてくるだろう。小学生、中学生は、学業も行わなければならない。教育をどのように受けていくかという問題も出てくるだろう。
しかし、それ以上に、バルサに認められ、バルサカンテラに入ってプレーすることが許されたことは、これ以上ないぐらいのチャンスである。それを生かさない手はないだろう。


身近で見た久保建英君がこれからどんな風に育っていくのか、成長していくのか、非常に楽しみである。
今後の活躍を期待していきたいと思うのである。

 第20節インテルナシオナウ対サントス サントス後半30分から3点差を追いつき引き分けた


水曜日8月31日のことである。ブラジル選手権前38節の後半戦の初戦があった。。
今節のサントスの相手はインテルナシオナウ(以下インテルという)である。これはかなり楽しみなカードだった。
インテルには、クラッキと呼び声高いFWレアンドロ・ダミアオンに加え、U20W杯決勝での大活躍が記憶に新しいMFオスカルがおり、サントス相手にどれだけのプレーぶりを見せてくれるのか興味深かったからである。


この日のサントスは、エラーノこそ欠いたが、ほぼベストに近いメンバーだった。対するインテルも大黒柱アルゼンチン人の司令塔ダレッサンドロこそ欠いているが、レアンドロ・ダミアオン、オスカルと先発に名を連ねていた。


試合は、前半、圧倒的にホームのインテルが優勢に進めた。早くも前半8分に左サイドからのクロスにDFボリヴァールがゴール前で簡単に頭で合わせ早くも先制。その後前半18分、今度は右サイドからのクロスがゴール前のFWレアンドロ・ダミアオンにまたも簡単に頭で合わされ、早くも2−0と突き放された。
サントスは、まったくいいところがなかった。ネイマールもガンソもいるのに、前半のサントスは、手も足も出ないといった感じだった。まるで、少し前のサントスを見ているようだった。本当にざるのようなディフェンスという感じだった。
正直いって、TV観戦するのも嫌になってくるほどだった。まったく攻め手に欠き、攻撃を組み立てることができないのだ。もう、この日はダメだと思わざるを得なかった。


後半、少しサントスにリズムが出てきた。やっと少し攻撃の糸口が見え始めてきた。
しかし、そんな中、DFでキャプテンのエドゥー・ドゥラセーナがペナルティエリア内でファウルを取られインテルにPKが与えられたのだ。これには、相当にがっくりきた。
本当に、エドゥー・ドゥラセーナは、肝心なところでファウルを取られることが多い。
何とかGKハファエロに防いでくれと願ったが、願いむなしくこの日10番をつけたオスカルに決められてしまった。後半26分に3点目が入ってしまったのだ。これには絶望的な気分にならざるを得なかった。


その後、TVを消してもよかったのだが、惰性でTVの画面を眺めていたら、後半30分に右サイドで途中出場のFWアラン・カルデッキが、ゴール前にクロスを上げ、FWボルジェスが頭で合わせ見事にゴールを決めたのだ。
サントスにゴールが決まったのに、私にしては珍しく特に喜びの感情は沸いてこなかった。
しかし、その後すぐの後半34分に、今度はペナルティエリア内でパスを受けたボルジェスが踏ん張り、反転しながらアラン・カルデッキにパスを出し、素早く振り抜いた球はゴールマウスの中に入っていったのだった。
これには、私も「ゴール!」と叫んでしまった。
一気に、3−2の1点差になったのだ。
サントスに突然エンジンがかかったかのように、怒涛の攻撃が始まったのだ。
ネイマールも惜しいシュートを放つが枠外だった。
しかし、後半40分に縦パスをゴール前で受けたボルジェスが一人二人三人と抜き、右足で振り抜いたボールは弧を描きゴール右隅ギリギリに入っていったのだ。
この瞬間、TVの画面で、一瞬入ったかどうかわからなかったのだが、入ってくれていたのだ。
これほど興奮することはない。
これで3−3の同点になったのだ。あれだけ喜んでいたインテルのサポーターのがっかりする様子がTVに映りだされていた。
この勢いなら、勝ち越しも夢ではない。その後も攻めるが、もう1点は奪うことができず、ゲームセット。しかし、サントスにとっては大きな大きなアウェイでの勝ち点1をゲットしたのだった。
ゲームセットのホイッスルと同時に、スタジアムでは大ブーイングが起こっていた。


それにしても、サッカーとは本当にわからないものだ。
あれだけ手も足も出なかったサントスに、ゴールが入った途端にエンジンがかかり、一気に3点も決めたのだから・・・。


それにしても、ボルジェスとアラン・カルデッキは素晴らしい。単なるゴールゲッターとしてだけでなく、相手を生かすプレーもお互いにできているのだから・・・。
ネイマールの存在がかすんでしまうほどの素晴らしさだった。


この結果、サントスは、勝ち点23でいまだ14位である。一方のインテルも予想以上に苦戦しており勝ち点28で11位である。


勝ちはできなかったが、サントスの粘り強さを見ることができ、満足のいくTV観戦であったのだった。