メキシコ対ブラジル やはり10番はこの人だ。ホナウジーニョ・ガウーショが魅せてくれた。 


昨日10月11日(火)、ブラジル・ブラジリア時間で午後10時30分からセレソンの試合が行われた。今回の相手はメキシコである。


先週の金曜とこの日は、国際Aマッチデーのため、セレソンの試合が行われたのである。
ヨーロッパではユーロの予選、アジアでは2014年W杯予選、そしてここ南米でも予選免除のブラジル以外はW杯の予選が行われた。ブラジルだけは、常に国際親善試合を行うことになる。
先週金曜日は、コスタリカコスタリカと、そしてこの日はメキシコでメキシコと対戦したのだった。


ブラジルで行われる平日の試合は、通常夜9時50分から始まる。これはTV中継の関係からなのだが、今回の2試合はそれよりも開始時間は更に遅かった。コスタリカ戦が夜11時から、そして昨日のメキシコ戦が夜10時30分開始だったのだ。
最近、この時間に始まる試合を見るのが結構厳しくなった。起きていられないのだ。これは年のせいなのだろうか?
コスタリカ戦は、前半早々に眠ってしまった。結果は、後半15分に挙げたネイマールのゴールでブラジルが1−0で辛勝していた。
そして昨日のメキシコ戦も、前半10分すぎには眠ってしまったのだ。
私は、前半10分にメキシコにゴールが入ったところまでは見ていたのだが、その後は眠ってしまい、気づいたら夜中2時ごろになっていた。


夜中に目が覚めて、唖然とした。今回のメキシコ戦はかなり楽しみにしていたからだ。
ちょうど、つけっ放しにしていたTVでスポーツニュースをやっており、2−1でブラジルが逆転勝ちをしたことを知った。このニュースを見て、見逃してしまったことを余計に悔しく思った。
しかし、TVのプログラムを見てみると、夜中3時からこの試合の再放送をやることになっていた。
ということで、リアルタイムではないが、一部始終を見ることができたのだった。


この日のセレソン(ブラジル代表)の先発は、以下の通りだった。
GK:ジェファーソン(ボタフォゴ)・・・ヨーロッパ組正GKジュリオ・セーザーを押しのけての堂々たる先発だった
右SB:ダニエウ・アウヴェスバルセロナ)・・・久々にセレソンでのダニを見た。しかし、イエローカード2枚で退場させられた。
CB:右チアゴ・シウヴァミラン)・・・セレソンレギュラーに定着しつつある
   左ダヴィド・ルイスチェルシー)・・・前試合から2戦連続先発。果敢にゴール前まで攻めていた。
左SB:マルセロ(レアル・マドリッド)・・・久々の先発。この日は、本領発揮の大活躍だった。
ボランチルーカス・レイヴァリヴァプール)・・・ほぼセレソンレギュラーに定着
     フェルナンジーニョシャフタール・ドネツク)・・・私はこの日初めて見た選手
トップ下:ホナウジーニョ・ガウーショ(フラメンゴ)・・・フラメンゴで復活。やはり10番がよく似合う。キャプテンとして現セレソンを牽引している。この日は、大黒柱として存在感あるプレーを見せ続けた。
FW:右ルーカス(サンパウロ)・・・18歳の超新星。この日は、ほとんど見せ場なし。
   中央フッキ(ポルト)・・・ポルトでの大活躍を経て、最近セレソンに召集された。この試合が初先発だろう。日本で長らくプレーしていたようだが、私は日本でのプレーを知らない。この日は、存在感を見せていた。
   左ネイマール(サントス)・・・19歳にして現セレソンの絶対的なエース。この日も、さすがネイマールという技を時折見せてくれた。
以上の11名である。


前試合のコスタリカ戦とだいぶ変わった感じがする。
コスタリカ戦は、初先発の選手が多い感じがしたが、この日は、かなり慣れたメンバーに戻した感じがした。


メキシコの選手についてはほとんど知らないのだが、マンチェスター・ユナイテッドでの活躍が目新しいハビエル・エルナンデスが先発で出ていた。あとは、10番をつけたドス・サントスという選手は有名だと思った。


メキシコは、黒いユニフォームだった。黒いユニフォームといえばドイツのセカンドユニフォームだが、ドイツのはとてもかっこいいと思うのだが、このメキシコのはなぜかまったくかっこいい感じがしなかった。


さて、試合は、開始早々からブラジルがよく攻めていたが、前半10分、あっけなくメキシコにゴールが決まってしまう。クロスボールをDFダヴィド・ルイスがクリアしたボールは無情にもゴールマウスの中に入ってしまったのだ。
早くも1点ビハインドである。


その後も、ブラジルのほうが圧倒的にチャンスを作っていた。フッキはかなりボールを触っていた。
攻撃は、10番のホナウジーニョが中心に組み立てていた。この人のプレーはまともに見るのはかなり久々な感じがするが、非常に安定感があるというか、安心して見ていられた。
今年早々フラメンゴに加入したばかりのころは結果が出せず期待外れな感もあったが、試合を重ねるごとに徐々に調子が出てきて、今では得点ランキングで2位につける活躍ぶりである。
この日のプレーを見ると、やはり10番はガンソよりもホナウジーニョだな、と思ってしまう。


前半終了間際、ペナルティエリアダニエウ・アウヴェスがファウルを犯し、PKを献上してしまう。その上、2枚目のイエローカードで退場という大失態まで犯してしまったのだ。
しかし、このPKをGKジェファーソンが見事に止め、事なきを得た。
前半、終始圧倒的に攻めたブラジルだが、得点を奪うことはできず、反対にシュート数ゼロのメキシコが1−0とリードで折り返した。


ダニの位置の右SBにはアドリアーノバルセロナ)が入った。FWルーカスと交代した。
後半は、さすがにメキシコもシュートを打ってきたが、やはりブラジルが攻める展開に変わりはなかった。
後半30分も過ぎ、停滞ムードが漂う中、ネイマールが倒されゴール正面やや左で得たFKをホナウジーニョが見事に決めた。これは、本当にゴラッソ(素晴らしいゴール)だった。
ホナウジーニョの素晴らしさは、正確なプレースキックにも表れている。セレソンでは本当に久しぶりのゴールだろう。本人は相当に嬉しかったと思う。本当に決める人が決めてくれた。


そしてその直後、今度は左サイドをぶち抜いたマルセロがペナルティエリアまで一人で持ち込んで豪快なシュートを決めてくれた。
マルセロは、本当にいい選手だと思う。この突破力は、右サイド以上だと思う。


結局2−1で、ブラジルが逆転勝利を収めたのだった。
なんとか面目を保ち、勝つことができた。


この日、ザッケローニの日本は8−0と豪快に勝ったが、マノ・メネーゼスセレソンはなかなか簡単には勝てない。昨年8月、就任仕立てのころは、あまりにもつまらなく不評だったドゥンがのセレソンからの反動もあり、かなりの高評価を得ていたが、最近では国民の支持も停滞気味である。
しかし、一つ一つ積み重ねていかなければならないのだろう。
セレソンのレギュラーがまだ固定していないことは、決して悪いことではないと思う。選手の好不調の波は必ずあるのだから、いろいろな選手を試す柔軟な姿勢はとてもよいと思う。


そして、強く美しいセレソンを見続けていきたいと思うのである。