第22節アヴァイ対サントス戦 ピッチコンディション最悪の中フェリペ・アンダーソンが魅せてくれた


9月7日(水)のことである。この日は独立記念日でブラジルの祝日だった。ということで、通常水曜の試合は夜に行われるが、日曜の試合と同様午後4時から始まった。
この日のサントスの相手はアヴァイである。アヴァイは南部サンタカタリーナ州の州都フローリアノポリスを本拠地とするチームだ。2009年に1部に昇格しいきなり6位になったが、昨年は15位と降格一歩手前であり、今年は常に降格圏をさまよっている。そんなチームである。

この日の試合は、アヴァイのホーム、フローリアノポリスで行われた。
フローリアノポリスの天気は雨で、グランドコンディションは最悪だった。競馬でいえばまさに不良馬場だ。一面水たまりのなかでの試合になってしまった。
ここまでひどいグランドコンディションでの試合は初めて見るかもしれない。まったくパスが回らない。細かいパスを繋ぐサントスにはかなり不利に思われた。


試合は、両チームとも、グランドコンディションに手こずっていた。パスが思うように飛ばないのだ。ボールが止まる位置を予測しながらプレーしなければならない。サッカー選手として身についている本能に身を任せたまま走るわけにはいかないのである。GKへのバックパスなどはもってのほかだ。
選手たちは、地面につけてはボールが進まないので、リフティングなどしながらボールコントロールしたりしていた。
そんな中でも、サントスが優位に試合を進めていたが、なかなか得点は奪えないでいた。そんな中、相手アヴァイにPKが与えられたのだ。またもファウルはDFでキャプテンのエドゥー・ドゥラセーナだ。毎回のようにファウルをもらう。それも2試合連続でPK献上だ。しかし、VTRで見る限りファウルではない。相手に接触してすらいない。
何とかGKハファエロに防いでくれと願った。ハファエロは、見事相手の蹴る方向を読んだが、球はそんなハファエロの飛んだ体の下をすり抜けてゴールに入っていってしまった。前半32分のことである。
その後もサントスは攻めるが決定機が作れず、前半は1−0で終了した。


後半もサントスは優勢に攻めるがなかなかゴールが決まらない。そんな中、後半途中から出場したフェリペ・アンダーソンがすごい活躍を見せてくれた。
まずは後半24分、フェリペ・アンダーソンからのパスをFWボルジェスがGKを交わしゴールを決めた。そして後半30分には、フェリペ・アンダーソンがDF2人を一人で交わし、見事にシュートを決めたのだ。まさにゴラッソだ。


フェリペ・アンダーソンはガンソ、アラン・パトリッキに次ぐ3番手のトップ下の選手だった。6月にホジャー・ガウーショも加入し、なかなか出場機会に恵まれることがなかった。
しかし、アラン・パトリッキは移籍し、ガンソは怪我で出場していない。先発出場はかなっていないものの、ここ最近はコンスタントに途中出場し、それなりの働きをしていたのだ。
それがこの日、やっと開花した感じである。


そのまま1−2でサントスが逆転勝利を飾ったのだった。
格下とはいえ、アウェイでの戦績が著しく悪いサントスにとって、貴重なアウェイでの勝利だ。これがアウェイ2勝目だった。
下位に低迷しているので、着実に勝ち点を積み重ねていかなければならない。
厳しいピッチコンディションの中、何とか勝ち点3をもぎ取ってくれたのだった。