第20節インテルナシオナウ対サントス サントス後半30分から3点差を追いつき引き分けた


水曜日8月31日のことである。ブラジル選手権前38節の後半戦の初戦があった。。
今節のサントスの相手はインテルナシオナウ(以下インテルという)である。これはかなり楽しみなカードだった。
インテルには、クラッキと呼び声高いFWレアンドロ・ダミアオンに加え、U20W杯決勝での大活躍が記憶に新しいMFオスカルがおり、サントス相手にどれだけのプレーぶりを見せてくれるのか興味深かったからである。


この日のサントスは、エラーノこそ欠いたが、ほぼベストに近いメンバーだった。対するインテルも大黒柱アルゼンチン人の司令塔ダレッサンドロこそ欠いているが、レアンドロ・ダミアオン、オスカルと先発に名を連ねていた。


試合は、前半、圧倒的にホームのインテルが優勢に進めた。早くも前半8分に左サイドからのクロスにDFボリヴァールがゴール前で簡単に頭で合わせ早くも先制。その後前半18分、今度は右サイドからのクロスがゴール前のFWレアンドロ・ダミアオンにまたも簡単に頭で合わされ、早くも2−0と突き放された。
サントスは、まったくいいところがなかった。ネイマールもガンソもいるのに、前半のサントスは、手も足も出ないといった感じだった。まるで、少し前のサントスを見ているようだった。本当にざるのようなディフェンスという感じだった。
正直いって、TV観戦するのも嫌になってくるほどだった。まったく攻め手に欠き、攻撃を組み立てることができないのだ。もう、この日はダメだと思わざるを得なかった。


後半、少しサントスにリズムが出てきた。やっと少し攻撃の糸口が見え始めてきた。
しかし、そんな中、DFでキャプテンのエドゥー・ドゥラセーナがペナルティエリア内でファウルを取られインテルにPKが与えられたのだ。これには、相当にがっくりきた。
本当に、エドゥー・ドゥラセーナは、肝心なところでファウルを取られることが多い。
何とかGKハファエロに防いでくれと願ったが、願いむなしくこの日10番をつけたオスカルに決められてしまった。後半26分に3点目が入ってしまったのだ。これには絶望的な気分にならざるを得なかった。


その後、TVを消してもよかったのだが、惰性でTVの画面を眺めていたら、後半30分に右サイドで途中出場のFWアラン・カルデッキが、ゴール前にクロスを上げ、FWボルジェスが頭で合わせ見事にゴールを決めたのだ。
サントスにゴールが決まったのに、私にしては珍しく特に喜びの感情は沸いてこなかった。
しかし、その後すぐの後半34分に、今度はペナルティエリア内でパスを受けたボルジェスが踏ん張り、反転しながらアラン・カルデッキにパスを出し、素早く振り抜いた球はゴールマウスの中に入っていったのだった。
これには、私も「ゴール!」と叫んでしまった。
一気に、3−2の1点差になったのだ。
サントスに突然エンジンがかかったかのように、怒涛の攻撃が始まったのだ。
ネイマールも惜しいシュートを放つが枠外だった。
しかし、後半40分に縦パスをゴール前で受けたボルジェスが一人二人三人と抜き、右足で振り抜いたボールは弧を描きゴール右隅ギリギリに入っていったのだ。
この瞬間、TVの画面で、一瞬入ったかどうかわからなかったのだが、入ってくれていたのだ。
これほど興奮することはない。
これで3−3の同点になったのだ。あれだけ喜んでいたインテルのサポーターのがっかりする様子がTVに映りだされていた。
この勢いなら、勝ち越しも夢ではない。その後も攻めるが、もう1点は奪うことができず、ゲームセット。しかし、サントスにとっては大きな大きなアウェイでの勝ち点1をゲットしたのだった。
ゲームセットのホイッスルと同時に、スタジアムでは大ブーイングが起こっていた。


それにしても、サッカーとは本当にわからないものだ。
あれだけ手も足も出なかったサントスに、ゴールが入った途端にエンジンがかかり、一気に3点も決めたのだから・・・。


それにしても、ボルジェスとアラン・カルデッキは素晴らしい。単なるゴールゲッターとしてだけでなく、相手を生かすプレーもお互いにできているのだから・・・。
ネイマールの存在がかすんでしまうほどの素晴らしさだった。


この結果、サントスは、勝ち点23でいまだ14位である。一方のインテルも予想以上に苦戦しており勝ち点28で11位である。


勝ちはできなかったが、サントスの粘り強さを見ることができ、満足のいくTV観戦であったのだった。