第6節コリンチャンス対サンパウロ


第6節最後の試合は、サンパウロクラシココリンチャンスサンパウロ戦だ。
サンパウロクラシコは、必ず日曜日の午後4時から行われる。
クラシコと呼ばれる対戦は数多くあるが、サンパウロにおけるクラシコは、サンパウロの4大チーム(コリンチャンスサンパウロ、パウメイラス、サントス)同士が対戦する試合である。
今回のクラシコは、前5節を終え、5連勝と開幕から快進撃を続けるサンパウロと、1試合少ないながら4試合で3勝1分けで3位につけるこちらも好調なコリンチャンスの対戦という屈指の好カードなのである。
私は、当然地上波でTV中継されると思っていたが、GloboもBandもなぜか違う試合を放送していた。
ということで、有料チャンネルで見ることにしたのだ。


先日、サンパウロに行ったとき、帰る日にタクシーに3回乗った。私は、その3人のタクシー運転手にどこのチームのファンか尋ねたのだが、3人が3人ともサンパウリーノ(サンパウロのファン)だった。
最後に空港まで利用したタクシー運転手はおもしろいことを言っていた。私が、「日曜は、コリンチャンスとのクラシコだね。」と振ると、「そうだねぇ。日曜日はパウリスタ(大通り)でゲイパレードがあるので、サンパウロは疲れて負けるっていう人がいるんだよ。」と言っていた。


4大チームには、それぞれ愛称がある。コリンチャンスはカショーホ(犬)。パウメイラスはポルコ(豚)。サントスはペイシ(魚)。そしてサンパウロはバンビなのだ。
このバンビは、ゲイを表しているらしく、サンパウロの人々は、サンパウリーノに対してゲイと半ばからかいながら言うのである。そんなことをタクシー運転手が言っていた。


さて、それは冗談として、この日の対戦は、私にとってもかなり楽しみだった。というのも、サンパウロには、今年1月からあのヒバウド(リバウド)が入り、つい最近ルイス・ファビアーノの移籍してきたからだ。それに、U20代表のネイマールに次ぐ逸材といわれるルーカスも見てみたかったからだ。
しかし、その3人とも残念ながら出場しなかった。よく考えれば、ルーカスはコッパ・アメリカのセレソンに選ばれているのだ。出るはずがない。ルイス・ファビアーノはまだ出てないのかな?
コリンチャンスには、あのアドリアーノが加入してきたが、正直いってまったく興味がない。


さて、試合は、予想外に一方的な展開になってしまう。
前半こそ0−0だったが、コリンチャンスのほうが圧倒的によかった。


後半、いきなりサンパウロが一人退場してしまう。
それだけが原因だとは思えないが、その後、コリンチャンスのゴールラッシュになるのである。


リエジソンの3ゴールなど、合計5ゴールのゴレアードだ。結局5−0でコリンチャンスが勝った。
本当に、コリンチャンスの一方的な試合だった。後半38分の時点で出たシュート数は、コリンチャンス27に対し、サンパウロはわずか4だ。とても、これまで負けなしの5連勝をしてきたチームとは思えない。この日のサンパウロのメンバーを見て、もっと戦力的にまともなメンバーを組めるだろう、と思ったりしたが・・・。


コリンチャンスは、とてもいい感じがする。長男がコリンチアーノなので、私はサントスの次にはコリンチャンスを応援している。今年、ホナウドホベルト・カルロスが去った後のチームはなかなかいい感じがする。


クラシコで5−0とは異例のことだ。
これからの、ブラジル選手権の転機となるような試合ぶりであった。