第6節クルゼイロ対コリチーバ 


土曜日6月25日夜9時から、次の試合をTV観戦した。クルゼイロコリチーバ戦だ。
クルゼイロについては、先日、前々節の対サントス戦をレポートしたのだが、サントス戦に続き、前5節の超格下だと思われた対アメリカ・ミネイロ戦でも引き分け、ついに監督のクッカは解任された。


クッカは、去年アジウソン・バチスタがコリンチャンスへ移動した後、クルゼイロの監督に就任した。就任して以来、アジウソン時代が嘘のように、あれよあれよと言う間に順位を上げて、何と2位でシーズンを終えたのだ。これは、アジウソンコリンチャンスを上回る結果だった(コリンチャンスは3位だった)。見事にリベルタドーレス本戦への出場権を得たのだ。
この2位と3位の差は大きい。2位まではリベルタドーレス本戦への出場権が得られるが、3位はリベルタドーレスの予備予選から出場することになる。
そして、ホナウドロナウド)やホベルト(ロベルト)・カルロスを擁するコリンチャンスは、まさかのリベルタドーレスで予備予選敗退を喫してしまったのだ。そのため、ホナウドは予定よりかなり早く引退する羽目になり、ホベルト・カルロスは、身の危険を感じ、コリンチャンスを離れることになったのだ。
ちなみに、ブラジルのチームで、リベルタドーレスの予備予選で敗退したのは、今年のコリンチャンスが初めてである。それほどの大失態だったのだ。


さて、話をクルゼイロに戻そう。
そんな、クッカのクルゼイロは、リベルタドーレスのグループリーグでは圧倒的な強さを誇った。ゴレアード(大量得点)の試合も多く、誰もが優勝候補の筆頭だと思ったのだった。
しかし、決勝トーナメントの1回戦でまさかの敗退を喫してしまう。
当然のように優勝候補に上げられたブラジル選手権だが、前5節までまったく勝てず、3分け2敗の勝ち点3で18位の降格圏内に沈んでいた。そして、その結果を受け、監督のクッカが解任されたのだった。


このクッカ、私は個人的に嫌いである。というのも、2008年一時的に我がサントスの監督に就任したのだが、私が応援していた日系ブラジル人選手のホドリゴ(ロドリゴ)・タバタを放出したのだ。
しかし、このクッカは、そんなひどい仕打ちをしておきながら、まったく結果が出せず、ほんの2か月ほどで退任したのだ。単にサントスを混乱に陥れただけだったのだ。
それ以来、私はクッカのことを毛嫌いしており、去年はなかばアンチ・クルゼイロのような感じだったのだ。
しかし、あれほど快進撃を続けていたクルゼイロが急失速し、クッカが解任されるのだから、本当にわからないものである。


この日の試合から、監督はジョエル・サンタナに変わっていた。クッカもそうだがこのジョエル・サンタナもまさにブラジルのクラブチームにおけるローテーション監督の一人なのだ。


対するコリチーバだが、これがまた不思議なチームだ。
今年1部に上がってきたばかりで、スター選手など皆無にもかかわらず、今年に入り、公式戦24連勝なる記録を打ち出し、パラナ州選手権とコッパドブラジルでは快進撃を続けてきたのだ。それも、コッパドブラジルでは、格上だと思われていたパウメイラス相手に6−0で勝ったり、ゴレアードの派手な試合を続けていたのだ。残念ながら、コッパドブラジルは準優勝に終わったが、パラナ州選手権では早々に優勝を決めていた。
これは、ブラジル選手権でもかなりいい位置にいくのではないかと思っていたが、これがまた不思議なことに、なかなか調子が出ず、5試合を終え、1勝1分け3敗の勝ち点4で、16位に沈んでいるのだった。


さて、そんな両チームの対戦だったが、なかなかの好ゲームだった。
まず、先ほどの試合(アトレチコ・パラナエンセバイーア)とはスピードが全然違った。速いのだ。ボールもよく回り、展開が速い。見ていて気持ちがいい。
クルゼイロがMFモンチージョを中心に攻撃し、よかったと思ったが、前半は0−0で終了した。


後半は、早々にクルゼイロがPKを得た。
これを、モンチージョが落ち着いて決めた。まるで、先々週のサントス戦のようだ。
その後もクルゼイロのほうがよかったと思ったが、コリチーバが一瞬の隙をつき、途中出場の元サントス、元清水エスパルスマルコス・アウレリオが豪快に決めたのだ。


これでまったくわからなくなった。
しかし、総合力で勝るクルゼイロが、またもモンチージョが決め、初勝利を遂げたのだった。


モンチージョは騒がれてるだけあって、やはりすごいと思った。
しかし、モンチージョを抑えれば、それほどでもないのではないだろうか・・・。


一方のコリチーバだが、この日の試合だけでは、あの爆発力はわからなかった。しかし、馴染みのマルコス・アウレリオは途中出場ながら、中心人物として縦横無尽に動いており、好プレーを見せてくれたのはうれしかったのだった。


初勝利を飾ったクルゼイロは、今後快進撃を進めることができるのだろうか?
今後、注目していきたいところである。