第6節インテル対ナポリ 今季初の長友途中出場の試合はほろ苦いものになってしまった


この試合、本日10月1日(土)、ブラジルのこちらの時間で午後3時45分に開始されTV観戦したのだった。


残念ながら、前監督ガスペリーニは解任された。その後、ラニエリという人が新監督に就き、不思議なもので、就任早々2連勝を飾っていた。
インテルの試合を見るのは、2週間前の対ローマ戦以来で、新体制ではどんな戦い方をするのか、けっこう楽しみにしていた。


しかし、TVをつけ、一気にその楽しみな気分が吹き飛んでしまった。
長友が先発ではないのである。システムは4バックに戻っており、左SBはキヴ、右SBはマイコンが先発だった。マイコンはこの試合から復帰したようだ。


TVはつけたのだが、開始からしばらくは、個人的にほかの作業もしていたので、あまり真剣に見ていなかった。しかし、インテルが優位に試合を進めている感じだった。
本格的に見始めたのは、前半15分ぐらいからだった。
圧倒的に、インテルが攻めている気がした。時折ナポリも攻めるが、あまりにシュートの精度が悪く、まったくゴールの予感がしなかった。


この試合、当初はインテルを応援しようと思っていたのだが、私の心は自然とナポリを応援するようになっていた。
もともとインテルというチームは嫌いだった。今年1月に長友が入団したので、インテルの試合を見るようになり、長友がいるので応援するようになった。それは、インテルを応援するというよりも、長友を応援するという感じだった。
それが今季、ガスペリーニに監督が代わり、このガスペリーニのやろうとしているインテルが好きになったのだ。3バックで、長友が、そして前サントスのジョナタンがSBより1列前のMFでプレーするサッカーをとても楽しく感じたからだ。
しかし、残念ながら、この新体制は結果を出すことができず、ガスペリーニは解任されてしまったのだ。
その後、監督が代わった途端にこのチームは勝ちだした。2試合とも、長友は先発で使われていたのでまあよかったのかもしれないが、私としては何となくおもしろくない部分もあった。


この日、初めてラニエリという監督を見た。私は、イタリアサッカー、ヨーロッパサッカーにまったく詳しくないので、この監督がどういう人なのかまったく知らなかった。
ただ、この日初めて見て、何となく、好感は持てない感じを受けてしまった。
その上、この日の試合は、長友も出ていない。もう一人の個人的に注目している選手、ジョナタンについてはベンチ入りすらしていない。
そんなことから、TV観戦を始めるうちに、何となく、インテルに負けてほしい気がしてきたのだ。


しかし、そんな私の気持ちをあざ笑うかのように、インテルは、いい攻撃をし続け、ナポリにはほとんどチャンスらしいチャンスは見受けられなかった。
そんな中、後半40分ぐらいに、MFオビが2枚目のイエローカードを受け、これがペナルティーエリア内での反則と見なされ、ナポリにPKが与えられたのだ。これは、VTRで見る限りペナルティエリア外だったが、抗議する人もおらず、PKになったのだ。それと同時に、左SBキヴが負傷か何か知らないが自ら交代を志願し、長友と交代したのだ。


ナポリを応援しながら見ていた私だが、長友が出てきて、非常に微妙な気分になった。
しかし、「ナポリ、決めろ!」という思いでPKを見ていた。キッカーは外したが、詰めた選手が押し込みゴールが決まった。ナポリ先制である。


そのまま、0−1で前半は終了した。


後半は、長友絡みならゴールが決まってほしいと思いながら見ていた。
しかし反対に、そんな長友絡みでゴールを決められてしまうとは・・・。


この日の長友の動きはどうだったのだろうか?
ガスペリーニ体制のMFのときよりも、だいぶ抑えている感じを受けた。それなりに、左サイドを駆け上がる姿はTVでもアップで映っていたが、今までのような派手な動きはなかった。
この日長友が一番注目を浴びたのが、2点目のゴールを献上してしまったシーンだろう。
長友はよく戻り、相手FWに体を入れてディフェンスすることができた。しかし、その態勢になったら一刻も早くクリアするのが定石だろう。たとえゴールラインを割っても一刻も早くクリアしなければならないだろう。しかし、このとき、そのままGKに獲らせようとしたのだろうか、そのまま体を入れたディフェンスをし続けたのだ。
そして、相手に一瞬の隙を突かれ、ゴールを決められてしまったのだ。
この2点目は痛かっただろう。1点差と2点差では天地ほどの違いがある。
特に、ナポリがよかったとは思わなかっただけに、インテルとしては痛恨の失点だった。


その後も長友は特に光ったプレーもなく、インテルはさらにゴールを決められ、結局0−3でナポリに負けたのだった。


ラニエリになってから勝った2試合を見ていないので何とも言えないが、この敗戦が、インテル、そして長友に与える影響は計り知れなく大きいような気がする。
本日の試合で一番印象に残ったのはマイコンだ。やはり、相当な存在感のあるプレイヤーだと思った。
それに、長友は立ち向かわなければならないのである。


信用は、積み上げるには時間がかかるが、失うときは驚くほど早い。
長友はどうだろうか?


気持ちを入れ替えてやるしかないだろう。
どんな人でも、失敗することはあるだろう。それを糧にし、克服していくしかないのだと思う。


長友には頑張ってほしい。
きっと長友なら、やり遂げてくれるだろう。
また、長友の勇姿を見たいと思うのである。

 第27節フルミネンセ対サントス またもサントスは劇的な負けを喫した


先ほど、サントスの試合が終わった。またも劇的な負けであった。スコアも前節同様2−3で負けた。
本日、10月1日土曜日夕方6時から、サントスの対フルミネンセ戦がアウェイであった。


この試合、序盤は圧倒的なサントスペースだった。前半20分ぐらいまでは、圧倒的に攻撃を仕掛けていた。しかし、なかなかゴールは決まらない。
徐々にフルミネンセもペースを掴みだす。
そんな中、サントスGKハファエロのゴールキックから最前線に走り出したネイマールにボールが渡り、ペナルティエリア少し外から振り抜いた球はGKの手を弾いたが見事にゴールの中に入っていったのだ。前半32分のことだった。
ネイマールの待望のゴールだった。先日のセレソンでのゴールがきっかけになったのか、待望のゴールが生まれたのだった。
そのゴールを決めた後にやったパフォーマンスが、"Head shoulders knees and toes"の振り付けである。この歌は、ブラジルでも子どもたちの間で歌われているようだ。子どもが生まれて、今月こどもの日があるからなのか?なぜかわからないが、この振り付けを3人でやっていた。


さて、そんなサントスにとってはいい雰囲気になったが、フルミネンセも負けてはいない。その約10分後、ゴール前の混戦から一度はGKハファエロが弾いたが、そのこぼれ球を決められてしまったのだ。
そのまま、前半は1−1で終了した。


後半から、フルミネンセはデコが投入された。
昨年デコは鳴り物入りでブラジルリーグに復帰したが、ほとんど活躍らしい活躍は出来ていなかった。今季も、ここまでブラジル選手権27試合中8試合しか出ていない。ここ2か月ぐらいは、ほとんどベンチ入りすらしてないようだった。
そんなデコが出てきたのだ。どんなプレーをするのか見ものだった。
かなりボールには触っていた。悪くないと思うが、特に超一流プレイヤーという感じはしなかった。


後半は、両チーム互角な感じだった。サントスにとって、楽に攻撃させてもらえない。フルミネンセは、しぶとく中盤でのボール支配はよくしていた。現在5位と上位に位置づけているだけはあると思わざるを得なかった。


本日のサントスの先発は、警告明けからネイマールが復帰し、エラーノも怪我から復帰していた。
左SBレオが前試合でレッドカードを受けたため、左SBは初めて見るエデール・リマという選手だった。
一方フルミネンセで有名な選手といえば、セレソンの常連FWフレッジぐらいか。


後半互角な戦いが続いていたが、後半26分、ネイマールがFKを不用意に相手に渡してしまい、それを繋がれ最後は途中出場のFWハファエロ・ソビスに豪快に決められてしまった。
これで、私はかなりトーンダウンしてしまった。中盤でのフルミネンセが相当にしぶとく、なかなかフィニッシュまで持ち込めず、決定的な場面を迎えられていなかったからだ。


この後、フルミネンセは露骨な時間稼ぎをし始める。GKなんて、シュートを受けて止めただけで、地面に転がり、まったく起きようとしない。これだけで2〜3分はロスしただろう。サントスの選手たちは相当に審判に文句を言っていた。
それ以上にひどいと思ったのは、フレッジの態度だ。後半40分ごろに交代されたのだが、まったく外に出ようとしない。グランド内で、おもむろにストッキングを下げ、すね当てを取り出したのだ。まったく外に出ようとしないので、サントスの選手が審判に文句を言ったりしていたが、見かねたネイマールフレッジを抱えるようにして外へ急いで出そう試みていた。
これが、フルミネンセのキャプテンのすることか?普段は英雄然としていて、本当に偽善者のようだ。今まではけっこういいイメージだったが、この態度で一気に嫌いになった。


もう残り5分、フルミネンセは時間稼ぎしか考えていなかったので、なんとしてもサントスにゴールを決めてほしかった。
そんな中、後半44分に途中出場の初めて見るFWヘンテリーアが見事にゴールを決めたのだ。
これには、「ゴーーーーール!」と大声で叫んでしまった。
この時点で2−2の同点になったのだ。


ロスタイムは5分だった。まだ5分丸々あるので、もう1点だ、と思いつつ見ていたのだが、このロスタイム、なかなかサントスがボールをキープできない。
最後49分50秒ぐらいで、相手にCKを与えてしまった。最後のプレーになるだろうと予想は出来たが、まさか最悪の結末が待ち受けているとは思わなかった。
このCKを憎き相手、フルミネンセに決められてしまったのだ。


もうこれは悪夢としか思えない。
天国から地獄とは、まさにこのことだ。
相手のホームだったので、観客はもう大騒ぎ、大喜びである・・・。


まあ、サッカーなんてこんなものだろう。先週も同じことを書いたような気がする。
まあ、これが現実なので仕方がない。
せっかく、ネイマールが久々にゴールを決めたが、それだけだった。
せっかく、前々試合まで一気に駆け上がったのに、この大事なときに連敗である。
もう、今季のタイトルは諦めざるを得ないだろう。
非常に残念だが、これが今のサントスの実力なので仕方がない。


本当に、残念な結果だったのである。

 ブラジル対アルゼンチン 久々にセレソンのスカッとした試合を見た


先ほど、ブラジル対アルゼンチンの親善試合をTV観戦した。
この親善試合は、今年始められたおもしろい試みで、国内組だけのメンバーでホームアンドアウェーで行われた。
ちゃんと「スーペル・クラシコ・ダス・アメーリカス(Super Classico das Americas)」という名称がつけられた立派な大会なのである。
ホームアンドアウェイということで、第1戦は2週間前の9月14日にアルゼンチンで行われ、0−0だった。
本日は第2戦でブラジル、ベレンで行われたのだった。


最初、ベレンセレソンの試合をやると聞いて驚いた。ベレンには、有力なサッカーチームがないからだ。
ベレンのチームといえば、パイサンドゥとヘモだが、どちらも相当に弱い。パイサンドゥが3部、ヘモに至っては、4部にも入っていないようだ。
ちゃんとしたスタジアムがあるのかどうかも知らなかったが、会場になった「マンゲイラオン」は、かなり立派な陸上競技場兼用のスタジアムだった。
ベレンにこんな立派なスタジアムがあることは知らなかった。


このホームアンドアウェイの2試合は、国内組のみの召集だった。そのため、セレソンの常連は少数しかおらず、新しいメンバーのプレーを見ることができた。


2週間前の第1戦は、前半だけ見て、その後眠ってしまった。今売出し中のインテルナシオナルのFWレアンドロ・ダミアオンがかなり見せ場をつくったようだったが、残念ながら0−0だった。


そして、本日の第2戦は、何としても、一部始終を見ようと思っていた。
メンバーは、第1戦とは少し変わっていた。
まず、レアンドロ・ダミアオンは出ていない。怪我をしているせいだ。


本日の先発メンバーは、
GK:ジェファーソン(ボタフォゴ)・・・第1戦に続き、先発の座を守った。好セーブを繰り返していた。
右SB:ダニーロ(サントス)・・・第1戦に続き先発。U20W杯優勝メンバー。
CB:右デデー(ヴァスコ)・・・私は知らなかったが、長男いわくかなりいい選手とのこと。
   左ヘーヴェル(アトレチコ・ミネイロ)・・・私は初めて見る選手。
左SB:コルテス(ボタフォゴ)・・・ドッレッドヘアーがトレードマーク。初めてまともに見たが、運動量豊富に果敢にオーバーラップを仕掛けていた。
ボランチ:ハウフ(コリンチャンス)・・・名前はよく聞くが、まともに見るのは初めて。
     ホームロ(ヴァスコ)・・・私は初めて見る選手。
トップ下:ホナウジーニョ・ガウーショ(フラメンゴ)・・・フラメンゴでの活躍を受け、この大会で久々にセレソンに選出。この日はキャプテンを務めていた。
FW:右ルーカス(サンパウロ)・・・18歳の超新星にしてフル代表に定着。
   中央ボルジェス(サントス)・・・サントスでの大活躍により初セレソンで初先発までゲットした。
   左ネイマール(サントス)・・・ブラジル一のクラッキ。最近はゴールから遠ざかっていることが気がかり。
以上の11名である。
サントスの選手が一番多く3人。次いで、今絶好調のヴァスコとボタフォゴから2人選ばれていた。


一方のアルゼンチン代表は、ブラジルリーグで活躍しているインテルナシオナルボランチ、ギナズーとクルゼイロのクラッキ、モンチージョが先発に名を連ねていた。
それ以外はすべて知らない選手だった。


第1戦とはルールが変わったようだった。
第1戦では、それぞれの国内リーグの選手のみの召集だったが、本日の第2戦では、ブラジルでプレーしているアルゼンチン選手も出ていた。これは、親善試合として、とてもよいと思う。


さて、試合は、終始ブラジルのペースで進んだ。
ほとんど、アルゼンチンにチャンスらしいチャンスはなかった。
前半、よく目立っていたのが7番をつけたルーカスだ。シュートまでなかなか持ち込めなかったが、相当にボールに触っており、チャンスメイクを繰り返していた。
あとは、左SBのコルテスだ。トラップなんかは相当下手で、かなり荒削りな感じだが、果敢にオーバーラップし、よくボールに触っていた。
残念ながら、前半は0−0だった。
第1戦も0−0だったので、何としてもゴールを入れてほしかった。私としては、サントスの二人のFWに期待していた。


さて、後半は早々にブラジルにゴールが決まった。
カウンターから、ルーカスがハーフウェーライン辺りでパスを受け、そのままゴール前まで独走し、ゴールを決めてくれたのだ。
前半終始いい動きをしていただけに、このゴールは彼の評価を高めるのに十分な、値千金のゴールだった。


その後も、ブラジルが終始ゲームを支配していた。
そして、後半30分ぐらいに、コルテスから途中出場のMFジエゴ・ソウザに渡り、そのクロスをネイマールがゴール前で合わせ、2点目が入ったのだ。
ネイマールのゴールは、本当に久しぶりだ。サントスでも、8月21日以来なかったので、まるまる1か月以上ぶりのゴールである。ゴールを決めて、本当に嬉しそうだった。ゴール後のパフォーマンスでホナウジーニョ・ガウーショなどとダンスをしながら喜びを表していた。
最近、サントスではFW兼トップ下のような役割だったが、この日は、ホナウジーニョ・ガウーショという絶対的なトップ下がいたので、FWに専念出来ていた感じがした。
終始にわたり、ネイマールは、相当に魅せるプレーを繰り出していた。第1戦でのレアンドロ・ダミアオンを意識しすぎているような感じもした。第1戦でレアンドロ・ダミアオンは、リフトを見事決めて、DFを抜き、大絶賛されていたのだった。
そんなネイマールのプレーに呼応するような感じで、ホナウジーニョ・ガウーショもかなり魅せてくれていた。
見応え十分で、結果も出て、ショーとしてもとても楽しめた試合だった。
期待の初セレソンボルジェスも、ゴールこそ奪えなかったが、いいポストプレーはできていたと思う。


結局2−0でブラジルが勝ち、記念すべき第1回のスーペル・クラシコ・ダス・アメーリカのタイトルを獲得したのだった。
試合終了後、表彰式のようなものも行われ、カップも授与された。
やはり、どんな大会でも優勝は嬉しいものだろう。特に、国内組のみの編成なので、セレソン初選出の選手が多かったことも、セレソンの経験を積めたということで、とてもよかったと思う。


久々に、本当に久々に、セレソンのスカッとした試合を見ることができたのだった。

 三浦泰年著「三浦兄弟」は興味深い内容だった


7月末から8月頭に一時帰国した際に、日本の書籍をいくつか買ってきた。主に、サッカー関係の本とビジネス書が中心だった。
そんな中真っ先に読んだのが、この本「三浦兄弟」だった。


この本は、カズの兄である三浦泰年が書いた本だ。三浦泰年というより「やっさん」と呼んだほうがしっくりくるだろう。
私は、カズが大好きである。カズがいたおかげで、サントスファンになったぐらいだ。
そして、日本のJリーグでは、清水エスパルスのファンである。
ということで、やっさんもカズほどではないが、思い入れはそれなりにある。
本屋の店頭でこの本を見つけた際には、真っ先に買うことを決めたのだった。


さて、内容は、やっさんの自叙伝のようなものなのだが、自分の歩んできたサッカー人生についてと家族についてが中心に書かれている。
そのため、カズについては当然のことなのだが、父親である納谷宣雄氏についてもよく書かれていた。


特に興味をひいたのが、ブラジルにまつわる場面である。
カズがブラジルに渡ったことは有名だが、やっさんもブラジルに渡っていたことは、この本を読むまで知らなかった。
しかしそれ以上に興味をひいたのが、納谷宣雄氏がカズがブラジルに行くと決めてすぐ、真っ先にブラジルに渡り、代理人業務のようなことを始めたことだった。
当時、縁もゆかりもないブラジルに単身乗り込んで事業を始めた納谷宣雄氏の行動力には脱帽する。
その当時の経緯などがかなり詳しく書かれており、本当に興味深かった。


ほかに興味をひいたのは、エメルソン・レオンにまつわる場面だ。
エメルソン・レオンといえば、清水エスパルスを筆頭に、Jリーグのいくつかのチームで監督をしており、日本でもかなり有名だと思う。
しかし、ブラジルでは、それ以上に有名な人物だ。
パウメイラスのGKとしてそしてセレソンでも長らくブラジルの最前線でプレーしており、現役引退後は、監督としてかなり名を馳せている。
しかし、この人に対する意見は、賛否両論が激しい。
セレソンの監督もしており、ブラジルの有力チームの持ち回り監督の一人であった。
しかし、その人間性は、個性が強すぎて、常にチーム内に衝突を起こすのだ。
いい例が、2006年のコリンチャンスの監督に就いたときだろう。それまで、コリンチャンスのキャプテンは、テヴェスだった。しかし、このエメルソン・レオンは、アルゼンチン人だからという理由でテヴェスからキャプテンをはく奪したのだ。
その後、テヴェスはあれほど愛されていたコリンチャンスからイングランドのチームへ移籍してしまうのだ。
いい監督なのかもしれないが、私にとっては、まったくいい印象はない。常に、チームをぶち壊して、辞めてしまう、というイメージしかないのである。


しかし、やっさんからしてみれば、エメルソン・レオンは、サッカーの恩人のような人であり、とても仕事がやりやすい人らしい。
ラモスからしてみたら、エメルソン・レオンヴェルディの監督になったから希望して京都サンガに移籍したらしいが・・・。
人にはそれぞれ、長所短所があるので、当然、人それぞれにとって、印象は違うのだろう。


まあ、そんなことはともかく、ブラジルにまつわるいろいろな話が出てきて、とても楽しく読めたのだった。

 第26節サントス対フィグリエンセ ついにサントスの連勝は途切れた


昨日、9月24日土曜日午後6時からサントスの試合をTV観戦した。
今節の相手は、フィグリエンセである。フィグリエンセといえば、監督がジョルジーニョである。あの、セレソンドゥンガをコーチとして補佐し、以前鹿島アントラーズでもプレーしたジョルジーニョである。
サントスよりかなり格下と思われるが、この試合ネイマールが累積警告のため出場停止なのである。これは、かなりの不安材料だった。
ネイマールなしの布陣は、通常の3トップから2トップにし、ネイマールの代わりにトップ下のフェリペ・アンダーソンを入れ、4−4−2のシステムで臨んだ。


さて、この試合、ネイマールはいないが、サントスが終始攻撃のリズムをつかんでいた。
しかし、まさに好事魔多しである。
結局この試合2−3でサントスが負けるのだが、奪われたゴールはいずれもセットプレーからか、一瞬の隙を突かれたカウンターアタックからだった。


まずは、開始早々前半9分、MFエンヒーケがゴール正面でファウルを取られ、それをフィグリエンセのキャプテンで99番のFWジュリオ・セーザーが直接FKを決めたのだ。このFKは鮮やかだった。壁の隙間を潜り抜けてのゴールだった。
あまりにもあっけない先制点を奪われ、あっけに取られた。開始早々から1点のビハインドで戦わなければならなくなったのだ。


そんな中、前半24分、ペナルティエリア少し外でパスを受けたボルジェスが受けた球をノーバウンドでトラップし、蹴り抜いた球が見事にゴールに入っていったのだ。これは、まさにゴラッソだ。技ありのゴールだった。
本当にボルジェスは頼りになる。これで、6試合連続19ゴール目だ。22試合で19ゴールである。これは本当にすごいと思う。


しかし、その後すぐ、まさにカウンターからハーフウェイライン付近で受けたフィグリエンセの選手がそのままゴール前まで独走し、GKハファエロと1対1になった。こうなるといくらハファエロでもどうしようもない。見事にゴールを奪われてしまった。
また、1点のビハインドである。


その後もサントスは攻めるが、決め手に欠けた。
しかし、前半ロスタイムギリギリのところで、サントスにゴールが決まったのだ。右サイドのフェリペ・アンダーソンからのクロスを左SBレオが走りこんできてゴールを決めたのだ。
このゴールの後に、前半終了だった。これにはスタジアム中が、まるで優勝でもしたかのような熱狂ぶりだった。
この時点では、これでおもしろくなったと思ったものだった。


後半は、五分で戦えるのだが、サントスは圧倒的に攻めるものの、どうしてもゴールが奪えない。選手交代などいろいろと工夫するが、どうしてもゴールが奪えない。2つほどボルジェスの惜しいシュートがあったが、決まらなかった。
そんな中、後半38分、またもカウンターアタックからフリーになってしまった相手FWジュリオ・セーザーをこの日劇的なゴールを決めたレオが、どうしようもなくペナルティエリア内で相手を倒してしまった。PKの判定だった。
これには、がっくりきた。
こうなると仕方がない。GKハファエロは見事に読み左に飛んだが、飛んだ手の先を早い球はすり抜けていった。ジュリオ・セーザー本人が決めたのだった。
このジュリオ・セーザーという選手のことはまったく知らなかったが、敵ながら、なかなかの好選手だと思わざるを得なかった。


残り5分少々。こうなるとサントスは浮足立ってしまい、もうどうすることもできなかった。そのままゲームセットだ。
サントスはホームで格下相手に負けを喫してしまったのだ。
9試合ぶりの負けである。
一気にここまで駆け上がってきたが、ここで一休止することになってしまった。本当に残念である。


しかし、このフィグリエンセは、なかなかしぶといチームだった。けっこう中盤でのルーズボールも拾っていたし、サントスを簡単には攻めさせてくれなかった。
順位的に中位にしぶとく位置しているのも、納得だった。


この試合、まるで約1か月前の、快進撃始まる直前のコリチーバ戦の敗戦のようだった。
これもホームで、試合終了直前にカウンターアタックから1点奪われ、2−3で負けたのだ。


まあ、サッカーなんてこんなものなのだろう。勝つこともあれば当然負けることもある。だから面白いともいえるのだ。


せっかく前節で、首位まで勝ち点11差になったのだが、また14差になってしまった。まあ仕方ないだろう。
しかし、今回負けたからといって、これから負け続けるわけにはいかない。
一休止しただけで、次からはまた勝たなければならないのである。


週中は水曜日にセレソンの試合があるので、次節のブラジル選手権は次の週末である。
セレソンの試合も楽しみだ。初選出のボルジェスは出場するのか?ネイマールは久々に魅せてくれるのか?大きな注目である。
そして、次節のフルミネンセ戦は、チームを立て直しまた勝利を上げることを願うのである。

 第24節コリンチャンス対サントス 見応え十分のクラシコはサントスが勝ってくれた


先週の日曜日、9月18日のことである。この日、サントスの試合はコリンチャンスとのクラシコだった。
午後4時からの試合だったが、私は所用があり、リアルタイムでのTV観戦はできず、夜11時からスポーツ専門チャンネルで1時間のダイジェスト版で見たのだった。
サントスの試合をリアルタイムで見なかったのは、本当に珍しい。しかし勝ててよかったと思ったのだった。


サントスの先発で初めて見る選手がいた。イブソンである。最近、スパルタク・モスクワというロシアのチームから移籍してきたMFのようだ。ガンソやフェリペ・アンダーソンの定位置であるトップ下の位置に入っていた。
それ以外は、いつもと同じだ。


このクラシコ、本当に素晴らしい試合だった。
我が家は、私と次男がサンチスタで、長男がコリンチアーノだ。大抵サッカー中継は長男と一緒に見るのだが、サントスとコリンチャンスが戦うときは、敵味方に分かれる。
この日のダイジェスト版も長男と一緒に見ていたのだが、コリンチアーノの長男も素晴らしい試合だったと言っていた。


まず先制したのは、コリンチャンスだった。コリンチャンス左SBアレッサンドロからのクロスをサントス左SBレオがクリアするも弱く、そのこぼれ球をコリンチャンスのエースストライカー、リエジソンにきれいに決められたのだ。前半12分のことだった。


その後、サントスが攻めまくるが、コリンチャンスGKジュリオ・セーザーの好セーブですべて防がれた。
時折、コリンチャンスも決定的なチャンスを迎えるが、こちらもサントスGKハファエロの好セーブなどで防いでいた。
そんな中、前半36分、ネイマールのCKのこぼれ球をボランチのエンヒーキが後ろから走りこんできて豪快に決めてくれたのだった。エンヒーキにとって初ゴールである。
前半は1−1で折り返した。


後半もサントスが優勢に攻め、後半8分ネイマールからのスルーパスをFWアラン・カルデッキが持ちこたえ、DFを振り切りゴール前へのクロスにFWボルジェスが決めたのだった。
ボルジェスは、4試合連続17ゴール目だ。得点王ランキングの断トツの1位である。20試合に出場して17ゴールなので、ほぼ毎試合ゴールを決めている計算になる。
このボルジェス、最近まで知らなかったのだが、2006年にベガルタ仙台でJ2得点王にも輝いているのだ。Jリーグで活躍していたのだ。そんなボルジェスは、今や、サントスになくてはならない存在だ。
ブラジル選手権での大活躍を受け、次の水曜日(9月28日)に行われるアルゼンチンとの親善試合で初めて、セレソンにも選ばれたのだ。
本当によく決めてくれる。この日のゴールも、ボールが来る瞬間にマークするDFの前に出て蹴りこんだのだ。これぞ、まさにエースストライカーだ。


その後、後半34分には、右サイドからアラン・カルデッキがクロス気味に入れた球が相手DFに当たり、そのままゴールに入った。


それ以外にも、両チームの攻防は相当に見ごたえのあるものだった。
結局、3−1でサントスが勝ったのだった。


この日も残念ながらゴールのなかったネイマールだが、トップ下としていい役割を果たしていた。チャンスはほとんどが、ネイマールが作っていた気がする。信頼できる2人のFW、ボルジェスとアラン・カルデッキに徹底してボールを供給していた感じがする。


これで、サントスは3連勝だ。2つの引き分けを挟めば、5連勝ということなる。17位の降格圏から11位まで一気に上がってきたことになる。
一方のコリンチャンスはずっと守ってきた首位の座から陥落してしまった。
この日の試合を終えて、1位は勝ち点45でヴァスコ、2位が44でサンパウロ、そして3位に43のコリンチャンスということになった。サントスは勝ち点32なので、まだトップとは13差があることになるが、消化が2試合少ないので、まだあきらめることはないだろう。


ダイジェスト版での観戦だったが、なかなかいい試合を見ることができたのだった。

 第25節アメリカ・ミネイロ対サントス ネイマールのCKからの2発でサントスは4連勝を飾った


9月21日水曜日、午後8時30分からサントスの試合をTV観戦した。この日の相手は、最下位のアメリカ・ミネイロだった。
アウェイのスタジアムは、ガラガラで、ホームのアメリカ・ミネイロのファンよりも、アウェイのサントスを応援している人のほうが多く感じるぐらいだった。


この日のサントスの先発で前試合と代わったのは、前試合でレッドカードを受けたボランチのエンヒーキに代わり、久々にアロウカが出ていた。


この試合、サントスは珍しくCKから2ゴールを決め勝利した。
いずれもネイマールが蹴り、一つ目はボルジェスが頭で直接合わせた。ボルジェスは、5試合連続18ゴール目だ。本当によく決めてくれる。
二つ目は、アラン・カルデッキが頭で落としたところをDFでキャプテンのエドゥー・ドゥラセーナが足で何とか蹴りこんで決めてくれたのだ。
ネイマールは、このところチャンスメーカーとしての役割に冴えているような気がする。CKも以前よりもかなり精度が増している感じだ。


結局2−1でサントスが何とか勝利をもぎ取ることができた。
これで、4連勝だ。一気に駆け上がっている感じだ。当節を終え、首位のヴァスコに勝ち点11差まで詰め寄ってきた。
しかし、この試合、ネイマールイエローカードをもらい、次節出場停止になってしまったのだ。
これは、かなり不安材料である。好調なFW2人はいるが、やはりチャンスメイクできる人が必要である。エラーノ、ガンソがいない今、ネイマールに求められる役割は非常に大きい。
次節では、誰がチャンスメーカーの役割を担うのだろうか?フェリペ・アンダーソンになるのだろうか?


ともかく、勝ち続けてくれたことは、本当に嬉しい限りである。
この調子で勝ち続けてほしいと願うのであった。