アメリカ対ブラジル とんでもない結末が待っていた!


7月10日(日)、サッカー観戦三昧だった日曜日の昼12時30分から、女子サッカーW杯準々決勝の好カード、アメリカ対ブラジルをTV観戦した。


ちょうど試合が開始したとき、昼食の用意をしておりキッチンにいたのだが、いきなりTVから「ゴーーール!」という大きな声が聞こえてきた。
ちょうどこの瞬間を見逃していてしまい、すぐに映されたVTRで見たら、アメリカにゴールが入っていた。何とブラジルのDFによるオウンゴールだった。時計を見ると1分台である。
ブラジルにとっては、なんて不運なんだ、と思わざるを得なかった。


この試合を見ていたとき、アメリカとブラジルのどちらが格上なのか知らなかった。
アメリカが昔から女子サッカーが強いことは知っていたが、今やブラジルには5年連続でFIFAの最優秀選手に選ばれているマルタがいるのである。そのため、今ではブラジルのほうが世界ランキングも上なのかと思っていた。
しかし、今でもアメリカは世界ランキング1位を誇っていた。ブラジルは、マルタを擁しているが世界ランキングは3位である。


しかし、試合は、ブラジルが優勢だった。
ブラジルには、マルタだけではなく、クリスチアーニもいる。10番のマルタに11番のクリスチアーニ。北京オリンピックのときのこの二人の印象はとても大きかった。
その二人が、今大会も同じ番号をつけ、中心人物としてプレーしていた。
ほかにも、よく名前が上がっていたのが、エリカとホザーナだった。


しかし、早朝に見たなでしこの試合と比べても、ずいぶん雑だなぁという印象が強かった。
男子に比べて、著しくパスが繋がらない、ボールがキープできない。日本のなでしこのほうが、よっぽど丁寧にパスを繋げていた印象だ。


ブラジルが優勢に試合は進めるが、一向にゴールが決まる予感がしない。
これは、オウンゴールの1点はあまりにも大きいな、と思わざるを得なかった。


そんな中、時間だけがどんどん進んでいったが、後半20分にブラジルにPKが与えられたのだ。それほどひどいファウルのように見えなかったが、このプレーでアメリカの選手にレッドカードが出た。
PKを蹴るのは、マルタではなくクリスチアーニだった。
やけに助走距離が短かったので、大丈夫かな、と思ったが、案の定、GKに弾かれてしまった。
しかし、その後驚くようなことが起きた。
PKのやり直しが命じられたのだ。
これには、アメリカの選手、特にGKは怒り心頭だった。それはそうだろう。せっかく、やっとの思いで防いだのだから・・・。
判定は、PKを蹴るときに、GKがゴールラインより前に出ていたから無効になったようだ。
これは、本当に酷だと思った。


そして、これも驚いたのだが、キッカーがマルタに代わったのだ。
これをマルタが落ち着いて決め、ブラジルに待望のゴールが決まり、同点になった。


これはおもしろくなったと思った。
しかし、やはりゴールは決まらない。ブラジルは一人多いのにである。
マルタやクリスチアーニはかなりの個人技を見せるのだが、どうにもゴールに繋がらないのだ。
見ていても、ゴールが入る感じがまったくしなかった。


そのまま、当然の如く延長戦に突入した。


私は、その後、4時から始まるブラジル選手権の試合を観に行くことにしていた。当初は、この女子サッカーの試合が終わるであろう2時半には家を出ようと思っていた。
しかし、延長戦に入ってしまったのである。
外出時には、愛犬をかごの中に入れて閉じ込めるので、出かける前に、犬の散歩だけは済ませておきたかった。
ということで、この延長戦が始まる前のインターバルの時間を利用して、犬の散歩に出かけた。


そして、家に戻ってきて唖然とした。
すでに延長戦は始まっていた。それも時間の表示を見ると4分になっていた。そして、得点が1−2になっていたのだ。
TVの実況も大喜びで、「ブラジル、ウン(1)、ドイース(2)!」などと言っているのだ。


延長開始早々にマルタがゴールを決めたとのことだった。
見たかったなあ、と思ったが、ブラジルがリードを奪ったので、まあいっか、と思い直した。


その後、アメリカも攻めるが、なかなかゴールが決まらない。
延長後半のロスタイムに入った。
これは、ブラジル勝てそうだな、そのまま勝ってくれ、と思っていた矢先、悲劇が待ち受けていた。


なんと、アメリカにゴールが決まったのだ。
延長後半のロスタイムにである。
こんなことってあるんだなぁ、というぐらい、悲劇中の悲劇だ。


そのまま、試合は終了し、2−2の同点のため、決着はPK戦に持ち込まれた。


その時点で、私はTVを消し、スタジアムに試合を観に行くために出かけたのだった。


車の中のラジオでブラジルが負けたことを知った。
まあ残念だが、PK戦では仕方がないだろう。
翌日の新聞でも、"Oh,Brasil!"という見出しで、この悲劇は取り上げられていた。


この試合を見て、女子サッカーでは日本が技術的には一番上なのではないか、と思った。
アメリカが世界ランキング1位ということだったが、パスはろくに繋がっていなかったし、個々の選手がボールをキープしきれていない印象が強かった。


しかし、ピッチ上で見るマルタは、男勝りというか、本当に迫力がある。
試合を離れて私服姿でいるときなんかは、けっこうかわいいんだけど、ピッチ上でのユニフォーム姿ではまったくそうは思えない。


ブラジルの選手に比べて、アメリカの選手はずいぶんきれいな感じがした。
アメリカの選手たちは、きれいで上流階級のような感じがするのだ。それに対し、ブラジルの選手たちは、なんとなく貧困な貧乏くさい感じがしてしまう。
それが悪いわけではないのだが、何なのだろうか?その競技のその国における文化なのだろうか?


アメリカでは、男子サッカーよりも女子サッカーのほうが人気があるらしい。
そのような確固たるステータスがあるので、そのような印象を受けるのだろうか?
アメリカのGKが、ずいぶんきれいに見えた。女子のGKといえば、あまり花形なイメージはない。しかし、長男の学校でも、休み時間に男の子に交じって一人女の子がサッカーで遊んでいるようだが、その女の子は進んでGKをやると言っていた。
女性の間では、GKは人気ポジションなのだろうか?


さて、そんなアメリカだが、本日の準決勝でフランスを破り、決勝進出を決めた。
そして我が日本、なでしこジャパンも同じく本日の準決勝で見事スウェーデンを破り、決勝進出を決めたのだ。


世界ランキング1位のアメリカはいいとして、日本の決勝進出は大快挙だと思う。


決勝は、日本とアメリカの対戦になる。
なでしこジャパンがどんな戦いぶりを魅せてくれるのか、今から本当に楽しみである。