サントスのホームスタジアム「ヴィラ・ベルミーロ」へ行ってきた(本編)


さて、午後4時ごろ、やっとのことで、サントスのホームスタジアム、ヴィラ・ベルミーロに着くことができた。



ヴィラ・ベルミーロに来るのは何度目だろうか。十数回は来てるだろう。2006年以来、毎年来ている。
しかし、試合がないときに来るのは、初めてではないだろうか・・・。


ここでの目的は二つである。
一つはサッカーミュージアムに入ること。もう一つはオフィシャルショップで買い物をすることである。


まずは、サッカーミュージアムに入ることにした。
サントスのサッカーミュージアムに入るのは2回目だ。以前入ったのは、2007年ぐらいだっただろう。試合観戦前に見学したのだ。
それ以降、システムが変わったようで、試合開催日にはミュージアムはオープンしなくなった。ということで、試合がないときに来ることも滅多にないだろうし、前回行ったときから4年が経っており、内容も変わっただろうから、このミュージアムは、ぜひ見学したかったのだ。


入場料は10レアル(約500円)だった。窓口の係員が、モニトラメントが云々と言っていたが、よくわからず、10レアル払い入場した。
後でわかったのだが、モニトラメントというのは、係員と一緒にスタジアムの内部を見学ツアーで回ることだったのだ。サントスのスタジアムにそんなサービスがあるなんて露にも思ってもいなかったので、これは本当によかった。
係員同伴のスタジアムツアー付が10レアルで、単にミュージアム見学だけだったら6レアルのようだった。


ミュージアムに入場して、あるところにすごい行列ができており、それがスタジアムツアーの行列だったのだ。
私は、何の行列なのかわからなかったので、特に並んでいなかったのだが、皆入っていくので、それについて一緒に入って行ったのだった。


30人ぐらいはいただろうか、もっといたかもしれない。係員一人が説明しながら、引率してくれた。


まずは、カマロッチの場所からだ。
これは、メインスタンド側の最前列の一番低い位置にガラス張りになっている。よくTV中継時に見るところだ。
これは、8人収容のカマロッチ(個室)になっており、各カマロッチにはTV画面までついている。カマロッチは20ぐらいあるのだろうか。すべて過去のサントスの選手の名前がつけられていた。



そこで一人の若者がパソコンをいじっていた。聞くところによると、Base(下部組織)の選手らしい。ハファエロというらしいその若者に、写真を撮らせてもらった。将来のネイマールになるかもしれないのだ。「ボア・ソルチ!(頑張ってください)」と言って別れた。



その後、記者会見場へ。
いつも、試合終了後に監督や選手たちが記者会見する場所だ。アルキバンカーダで試合観戦したときに、何度か横目にみたことはあったが、まさかその場所に入れるとは・・・。
記者席は、メディア局によって席が決まっているらしく、各テーブルにその会社(TVやラジオ局)の名前が記されていた。
私は、座らなかったが、得意になって座り監督になりきって疑似インタビューに答えている人たちがいて、本当に好きなんだなぁと思った。



その後は、選手ロッカーのある更衣室だ。
ロッカーは、場所が選手ごとに決まっており、ロッカーに選手の写真がついていた。
ネイマールはケイヒソンとアラン・パトリッキの隣で、ガンソは一番端っこだった。
過去の選手ではペレのものだけはあった。
係員に、カズーもここを使っていたのか、と聞くと、「そうだけど、今もあるのは、過去の選手ではペレだけです。」と答えた。私は、必死にホジャーのロッカーも探したが、見当たらなかった。係員にホジャーのはないのか尋ねたのだが、係員はホジャーのことを知らないらしく、よくわかっていなかった。ボルジェスのもなかったので、最近入った選手は、まだ写真がつけられていないのかと思った。
ここには、ジャグジーなどもあって、選手たちの過ごし方を垣間見ることができた。



そして、いよいよピッチへ入場だ。
ゲートを通り、ピッチへ。選手たちもここを通るのかと思うと、なんだかちょっとした感動のようなものを味わえた。



プレーするグランドそのものに入ることはできないが、そのグランドの周りを歩くことができた。
選手たちの座るベンチに腰掛けたりした。
いやぁ、本当にいいもんだ。



最後に、アルキバンカーダ(石段の観客席)に入って終了するというものだった。



私は、去年10月にヨーロッパに行ったときに、バルセロナカンプノウマンチェスター・ユナイテッドオールド・トラフォードのスタジアムツアーに参加した。
カンプノウは係員はつかず自分で勝手に回るというものだったが、オールド・トラフォードは係員がついて説明を受けながら見学した。ちょうど、そのときのことを思い出した。
カンプノウでは、記者席に入ったり、特等席に入ったりしたが、ピッチ上に入った記憶はない。
それに対し、オールド・トラフォードは、今回と同じように、ピッチ上に入り、ベンチに腰掛けたり、かなりいろいろと回ることができた。


スタジアムの質としては、カンプノウオールド・トラフォードには到底及ばない。しかし、大好きなサントスのホームスタジアムで、ピッチ上に入ることができ、ベンチに腰掛けることができ、ロッカールームにまで入ることができたのだ。こんなに嬉しいことはないだろう。


それにしても、すごい人だった。やはり、昨晩の感動冷め止まぬ間に来たいと思った人が多かったのだろう。


一緒に回った人たちと少し話をしたりした。
自分の息子が昨晩の試合をパカエンブーに観に行ったと言っていたおじさんがいた。その人自身は、2003年のリベルタドーレスの決勝をモルンビーに観に行ったと言っていた。
私を観光客だと思って、一度写真撮影をお願いしたら、いろんなところで写真を撮ってくれた美男美女のカップルもいたりした。


ミュージアムの中は、過去に獲得したトロフィーや、歴代のユニフォーム、親善試合で受けた記念ペナントなどが所狭しと飾られていた。



満足して外に出て、オフィシャルショップに向かうと、ちょうど閉店するところだった。夕方5時までのようで、あと5分あったが、入場は終わったとのことで、入ることは断固として認められなかった。日本からわざわざ来たので入れてくれと言ってもダメだった。


ああ、残念。いろいろと、サントスのグッズを買おうと思っていたのに・・・。
まあしかし、ここは試合開催日でもやっているので、また試合のある日に来ればいいか、と思いあきらめることにした。


近くの路上で、偽物のユニフォームが売っており、せっかくだからということで、ネイマール11番のリベルタドーレス用のユニフォームと、Tri Campeao(リベルタドーレス3回優勝)の記念ユニフォームの二つを買った。二つ買うので、値引かせようとしたが無理だった。昔の私だったら、強引に値引きさせたと思うが、言い値の25レアル(約1250円)の2着分、50レアルを払った。



もう、試合がないときにここに来ることはないだろう。
オフィシャルショップでの買い物はかなわなかったが、スタジアムツアーに参加できたので、本当によかったと思ったのだった。


そのまま、ホドビアーリアまで歩き、長距離バスに乗り、サンパウロまで戻ったのだった。