ブラジル対日本 惜しくも負けはしたが、U17日本代表にフッチボール・アルチ(芸術的サッカー)を感じた!


コッパ・アメリカのブラジルの初戦が終了した2時間後、U17のワールドカップの準々決勝、ブラジル対日本戦が始まった。私は、自宅でTV観戦した。


今、世界中のあらゆるところでサッカーの大きな大会が行われている。
アルゼンチンで行われているコッパ・アメリカ、ドイツで行われている女子サッカーワールドカップ、そしてメキシコで行われているU17のワールドカップである。
U17の大会など、今まで特に興味も持っていなかったし、メンバーもまったく知らなかった。しかし、Yahoo Japanなどの報道をみると、U17日本代表のサッカーはバルサのようで、各国から絶賛されているとのことだった。
U17とはいえ日本の試合だし、これだけ絶賛されているし、相手がブラジルと聞けば見ないわけにはいかない。


この日夜、所用があり少し出かけていたのだが、何とかこの時間までに帰ることができた。
TVをつけたら、時計の針は0分38秒を指しており、ちょうど始まったばかりだった。


序盤、ブラジルが攻める場面が多かった。何とか、それまで耐えていたのだが、前半15分にCKからきれいにヘディングを決められてしまった。
最近のサッカーでは、CKから決まることは滅多にないのだが、ここではやられてしまった。
先制点を奪われると厳しい。これはかなり厳しいなぁと思いながら見ていた。
しかし、そんなころから、日本のパスサッカー、バルサスタイルが随所に見られるようになったのだ。
これは、本当にバルサみたいだ。選手がポジションチェンジしながら、流動的にパスを回していくのだ。ここまで追求されたバルサスタイルもなかなか珍しいだろう。本当に気持ちいいぐらいに流動的なパスサッカーである。ここまで徹底出来たらあっぱれだ。本当に立派なものだ。フッチボール・アルチ(芸術的サッカー)といっても過言ではないだろう。


しかし、展開は厳しいものになる。
後半開始早々にブラジルに2点目を決められてしまったのだ。立ち上がりはなんとしても気をつけないといけないのに・・・。これは、日本はダメだなと思ってしまった。
その後も、まさかこれは入らないだろうという角度のないところから、ブラジルの10番が鋭い一蹴りでゴールが決まってしまったのだ。


これほどまでにおもしろいようにゴールが決まるときもあるんだなぁ、と思いながら見ていた。


しかし、そんな誰もがブラジルの勝利を確信し始めたとき、後半30分ぐらいに、日本がゴールを決めたのだ。
その後も、華麗なパスサッカーで相手を翻弄し、後半42分ごろに、再びゴールを決めたのだった。


あと、残り時間はわずかだが、この勢いを持ってすれば、もう1点取ることも不可能ではないだろう。


その後、日本は攻め立てるのだが、結局あと1点入れることなく、残念ながら試合は終了してしまった。3−2でブラジルの勝利である。


試合が終了した瞬間、何人もの日本人選手が、周りをはばかることなく号泣し始めたのだ。
これには、日本以外の国民からは相当に違和感を感じられたのではないだろうか?


たしかに、U17といえば、日本なら高校生だ。高校生ぐらいなら、大事な試合で負けてしまったら人目もはばからず、号泣することは普通かもしれない。
しかし、国際的にみてどうなのだろうか?涙を流すくらいならありだろう。しかし、国際的に、号泣するのは見たことがない。
相手、ブラジルの監督もびっくりして、日本の号泣している選手たちに声を掛けて、なぐさめていた。


それにしても、U17日本代表のサッカーはおもしろい。これほど、徹底した戦術を行い、それが実行できているということは本当にすごいと思う。本当に見ていて楽しかった。


あともう一つ、おもしろかったことがある。TVの実況における日本人選手の名前についてだ。
私は、このカテゴリーの選手については誰ひとりとして知らなかったのだが、そんな中、TVの実況は「ヌメロ・ノーヴィ(9番)、ミニモーミ!」と言うのだ。日本の名前でミニモミはありえないだろう。顔をみても典型的な日本人だ。背中の名前をよく見たら、この選手の名前はミナミノのようだ。
カワグーシやウシーダならわかるが、ミナミノがミニモーミになるんだからなぁ。本当にわからない。
去年のW杯のとき、ナカザワのことをナザカーワと呼んでいた実況者はいたが・・・。


まあ、ともあれ、負けはしたが、久々に日本のサッカーにおもしろさを感じたのだった。